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2006/06/09

枕詞「あをによし」って…?

「あをによし」はご存知「奈良」にかかる枕詞です。
「あをによし」の解釈には諸説ありどれもがもっともらしく書かれています。
「奈良の都の絶頂期の建物の色」や「顔料の青丹を産出したから」とか、またその「青丹を馴熟す」などです。
「奈良に都が遷る以前から使われていた『あをによし』ですが奈良に都が遷ってからは都の美しさを表す言葉になった」など、ちょっとググるといっぱい出てきます。

「よし」の部分は遷都後は「よい」の意味にも使われるようになったようですが、「よ・し」は間投助詞のようです。辞書では「文節末尾について語調を整えたり感動の意味を付け加えるもの」となっています。これが入る事により文の成分の切れ目となっているようです。

なぜこんな事を書こうと思ったのか。それは「色・色彩」についての解説が今までに出てきていないのです。(おそらく)
そんなことはない、「あをに」は「緑青」だとか「青丹」とは「青黒い土」のことだとか「丹青」と言うならば「丹」は(明るいオレンジ色)で「青(緑)」を指すと言った具合に「色」について書かれているではないか!と言われるかもしれません。でもそれでは少し味気なく思うのです。

以下に述べる事は僕が高校時代にふと思った事なので、本文に書いた事以外、敷衍など出来ません。最初に断わっておきます。

解釈のキーポイントは「青・緑」と「赤・オレンジ」です。言わずと知れた反対色、または補色の付近に存在する色の組み合わせです。
解りやすくするため「赤」・「青」として考えます。同明度の場合これら2つの色の境目にはギラツキが生じ調和しません。で反対色や補色の調和で使う方法といえば「境目に無彩色を挟む」または「2つの色の面積差を大きくする」そしてもうひとつあります。それはどちらかの色の明度を変えること(明るい色「白を混ぜる」)(暗い色「黒を混ぜる」)により明度を変えることが出来ます。

さて、話を「奈良」に戻します。自然界の「赤」たとえば「赤土」はそれほど鮮やかな色ではありません。空の「青」や木々の「緑」は鮮やかな場合もあります。

稜線の松林とその下に続く赤土(岩くされ)を見た時「ハッ!」としました。
もしかしたらこのような自然界の色の調和を詠んだのではないかと。
「あを」は「針葉樹または空」であり「に」は「土の色(赤土)」ではないのかと…。
周りに点在する山々の景色を見て、知らず知らずのうちに自然界に存在する補色の調和を美しいものだと感じたのかもしれません。
そんな景色、日本の何処にでもあるのではないのかという声も聞こえてきそうですが…。
ま、このブログで特に結論を出そうなどと思っているわけではないし、間違いもあると思いますが気楽に読んでいただければいいのです。

「真弓常忠著/天香具山と畝傍山」によると、天香具山の埴土に「赤埴」と「白埴」というのがあるそうです。文字通り赤い粘土と白(無彩色)い絵の具のような土「白埴(白子)」共に陶土としてきわめて価値の高いものということです。

 「あをによし 奈良の都は 咲く花の にほふがごとく 今盛りなり」万葉集 巻第三 三二八

「あをによし」はそれぞれが好きな解釈をすればいいと思います。先に書いた事はもちろん僕の勝手な解釈(仮説)です。
それぞれが仮説の柱を立て思いめぐらせてみるところに、歌を鑑賞する楽しみがあると思います。

 

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