富貴蘭(フウラン)が咲いた。
甘い香りの「フウラン」が咲き出した。この甘い香り、言葉で表現すると半透明で単一的な香り。などと書いてもさっぱり解らないだろうけれど、沈丁花やクチナシの様なまとわりつく香りではなくシンプルな甘い香りといったところか。
この香りだが咲き始めはほとんど香らない。数日するとだんだん香りが出てきて、花弁が少し黄色くなってくると強く香り出す。
この頃になると香りに少し粘りが出始め複雑さが加味されるが僕は咲き始めのシンプルな香りの方が好きだ。
さて、栽培は多くの方は水苔を用い鉢を使ったり、ヘゴ付けされる場合が多いみたいだが、この方法はあまり良くない。僕も昔はこのような栽培方法だった。現在は写真のように、木片を芯にして周りに水苔をソフトボールより少し大きめに巻き着生している。この方法だと通気性がよく水苔が痛まない。また、気根が裏側にも回り、より自然に近い状態で生育し玉の裏にも着生する事がある。よって鉢への高植えよりはるかに管理が楽である。また鉢植えの小綺麗さは、まるで街中の料亭のお造りの様で器も盛りつけも綺麗なだけ。といったなんとも味気のないものになってしまう。
自然界ではシイ、クス、タモなどの常緑樹によく着生している。そしてその姿は力強い。一部のマニアが行っている小さくまとめてしまう栽培方法は僕は嫌いだ。
そして蘭の中では比較的栽培しやすい、など言う方もいるようだが、とんでもない間違いである。それは自然界にある「フウラン」をよく観察していない知ったか振りが言う事である。
野性味あふれるフウランを持ち込むのは、山取りの松を盆栽に仕立て上げるよりはるかに気を使うし、趣味として考えなければ絶対に面白い作業ではない。
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