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2005/10/11

「いま、会いにゆきます」映画は小説のダシ?

先日WOWOWで「いま、会いにゆきます」を見た。市川拓司の小説の感想は以前簡単に書いた。
この映画は小説を参考にした別物と思って見た方がいい。小説を先に読んだ人は物足りなさを感じるかも知れないし、泣ける映画ではないかもしれない。逆に映画を見てから小説を読むと感涙度がアップするかもしれない。
小説では感じなかった「澪」の嫌な部分を感じてしまった。それは澪の身勝手が油みたいに浮いてしまったことだ。これは小説でも感じていい種類のものだが、市川氏はちょっとしたトリックを仕掛けそれを感じさせない。そこのところを映画化するに当たりわざと外したのか、単なるミスなのかは解らない。

WOWOW Magazineの中で入江奈々氏は「全体的に抑えたトーンで、わざとらしく盛り上げたりしない演出がよけいに泣かせる」と書いている。
そう「全体的に抑えたトーン」だ。でも僕には平板すぎて、涙腺は緩まない。
戸板の上をゆっくり流れる雨水のような演出に涙があふれる人は、感覚が繊細なのだろう。僕はがさつなんだろうか。

小説では笑ってしまった箇所がある。これはもうコミックス「こち亀」並みの笑いだった。「どの箇所なんだ」と言う声が聞こえそうだ。先のトリックについてはそれぞれが感じていただくとして、笑いの部分は書きます。第9章「散髪」の所です。こんな部分があるから感涙部分に一気に読者を引き込むことが出来るのかもしれません。

WOWOWで「いま、会いにゆきます」を見ていて、フッと村上春樹の「海辺のカフカ」を思い浮かべてしまった。

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