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2005/10/28

「生きるということ」平岩弓枝。

作家、平岩弓枝氏の講演を聞いた。演題は「生きるということ」
平岩弓枝氏についてはこちらをどうぞ。
演題からしてよくあるというか、いまさらの感のあるものだ。
さて、内容はご自分の生い立ちからはじまり、第二次大戦の頃に飛ぶ。彼女のお母さんは福井出身である。戦時中、疎開で福井にいた時福井空襲を経験。当時中学二年生だった彼女は市内から四里ほどの所にいたので難を逃れたが、市内の友人たちを捜し、焼けた死体の山の中を一日彷徨う。遺体を見ても恐いと感じる事もなかった。そう言う心の余裕すらなかった。
そして、おばさんから臭いが取れないと言われた。自分は気がつかなかったのだが、それは死臭。風呂に入っても三日経ってもとれなかった。その時初めて死臭というものを知った。
もう一つは師である長谷川伸氏の事。病床に伏した長谷川伸に言われた言葉「生きる目的と信念を持て」ということ。医師に患者(長谷川伸)の好きなものを食べさせてあげなさいという言葉の本当の意味を当時は理解出来なかった。氏の好きだった天ぷらを買い、乗った(長谷川伸を知る)タクシーの運転手は「天ぷらは温かい方がうまい」と混雑する道を急いでくれた。
そういった、私は知らないが私を知る人の心に小説で恩返しをしたい。しかし私にはもう出来ないからと平岩弓枝氏に託し亡くなった。
「死」によって「生」と小説家の使命を感じさせる話だった。

こういう話をまとめるのが苦手なのと、思い出しながら書いているのでうまく理解出来る表現が出来なかった点ご了承願いたい。

平岩弓枝氏が最初に「生」と「死」は対するものだがとおっしゃられた。
普通はそうだろう。「生」があるから「死」がある。
「生」の流れの中に「死」は含まれる。僕はそういう風に思う。

いい話だった。事実が伝える力もあった。でも話の少し先が解るような内容と文章的に綺麗に並べられた言葉に魅力はなかった。

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