深田亜津子。変だぞ!「出る釘と出る杭」
今日のNHK朝ドラ「風のハルカ」
「そよ風ツーリスト」でハルカの先輩である深田亜津子の言葉。「営業成績が良いので本社に疎まれている。要するに『出る杭(釘)は打たれる』ちゅうことや」「釘」だったか「杭」だったかは聞き取れなかった。
「出る杭波に打たれる」が本来の姿なのだが、最近は「出る釘は打たれる」や「出る杭は打たれる」などといった言い方も市民権を得てきたのか?
「出る釘は打たれる」などという奴はバカだと今まで思っていたし今後もそう思う。僕が勝手に思うだけだから非難しないで下さい。
教養がどうだとか言うのでなく、単に最初の聞き間違えや解釈の間違いが一般化して「ま、よく似たニュアンスだからこれでもいいだろう」という事で使うのは僕は好きではない。
「出る杭波に打たれる」この状況を想像出来ない環境が多いからしかたない事なのだけれど、海や湖の水面に出ている杭。養殖場なんかによく杭が立っています。その水面から出ている部分がいつも波に打たれているわけです。ま、何れ朽ちてしまうわけですが。そんな状況です。この言葉には景色があるわけです。夕日にキラキラ輝く水面に杭が出ている。又は冬の白波の中にいつ折れるか解らない杭が見える。何でもいいのです。そこには自然の空気があり音があり香りがあるのです。
「出る釘」じゃあまりにも即物的で景色がない。べつになくてもいいのですが・・・。
追加記入/2006.7.26 「出る釘は打たれる」についてはtorokkoさんの「気になってならない」というブログにも書かれています。
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コメント
ことわざ事典では「出る杭波に打たれる」は掲載されてはおりませんでしたね。原典は中国語だそうです。
トラバいただきました。トラバ先のURIをトラバ元に掲載しておくことが必要条件なのですが(ブログサービスサイトによっては元記事に言及のないトラバは自動的に削除されます)、貴兄の記事にはURIの記載がありません。本来であれば、削除するのですが、内容が内容ですので削除しませんでした。
投稿: torokko | 2006/07/25 08:47
torokkoさん
大変失礼しました。加筆しました。
投稿: プル | 2006/07/26 23:07
ご配慮ありがとうございます。
図書館にいってあるだけのことわざに関する書籍にあたってみましたが、「出る杭波に打たれる」はみつかりませんでした。
投稿: torokko | 2006/07/28 09:21
ググってみたのですがはっきりしませんね。意味として(使われ方)としてはどれも同じなのですが…。
手元の書籍で探してみたのですが、「講談社プラスアルファー文庫/辞書にない『言葉と漢字』3000/パキラハウス」では
勘違い実例集
○出る杭は打たれる
×出る釘はたたかれる
となっていてこれまたわけがわかりません。ただ僕としては「出る杭波に打たれる」と最初に習ったので(小学校の時か中学の時か高校の時か記憶にない)そうなっているわけです。
Wikipediaでは「日本で使用確認された一番古い釘は法隆寺金堂から飛鳥時代の和釘が用いられていた」となっています。ということは一般に「釘」という概念が流布したのがそれほど古い事ではなく、原典を解りやすくする為に日本では一時的に「杭」を当てたのかもしれませんが…。
現在の学校教育ではどのように教えているのでしょうね。同級生の国語担当教師(中学)は「出る釘は打たれる」と言っていました。
う〜ん・・・?
投稿: プル | 2006/07/28 22:01
英語では、"A nail sticking out will be hammered down."と言いますので、英語の場合は「釘」となります。これが日本のことわざの英訳から来たのか、もともと英語にあったことわざなのかわかりません。もし後者だったら面白い比較ですね。
投稿: Samurai-X | 2009/02/05 11:05
Samurai-X さん コメントありがとうございます。
たしかに英語では"nail"というふうになっていますね。
たかが「ことわざ」でも奥が深いものです。また今回のテーマもナゾが多いですね。
この記事の追記として2006/08/01にも「その後の『出る釘と出る杭』」として書いています。
投稿: プル | 2009/02/05 23:30