これで本当にいいのだろうか・・・?
川嶋あいの「Piano Songs」(路上集2号)というのがある。
昨年の夏のリリースだから今更なんだけれど、ちょっと気になったので書いてみる。
(試聴・購入はiTunes Music Storeでもできる)
五人のピアニスト(倉本裕基・大江千里・武部聡志・中村由利子・小林建樹・)が二曲ずつ担当している。(川嶋も二曲弾いている)
率直な感想は、「なぜ?」って感じ。何度か聴き返してみたけれど、このCDで何を伝えたいのか解らない。
それぞれのピアニストがそれぞれのピアノでそれぞれのスタジオで録音しているから(たぶん)当然音質は違うわけだけれど、バラバラ感があり、曲によって聞く側が音響のセッティングを変更しなくてはならないのは問題だ。特に大江千里のピアノの音は癖があり、低域のボンツキが不快だ。ミックスに癖(個性)があるのはしかたないかもしれないけれど、最終のマスタリングでの調整がうまくいっていない。
ピアノは音が消えても無の響き(空気の中にまだ音が漂っている)が特に感じられる楽器だ。そんな余韻を感じている時に遮断するのは問題がある。1曲目(どんなときも)の最後なんてひどいものだ。
こういう作り方が先の「なぜ?」に繋がる。
不思議なのは、川嶋が弾いている「時雨」と「空色のアルバム」はあまりいいピアノではないのかもしれないけれど、音が自然に聞こえる。そしてミックスダウンでバラにされるのでありえないのだけれど、ピアノの音と川嶋の声との間の距離が感じられる。偶然なのかレコーディングスタジオのせいなのかは解らない。
ピアノとボーカルといったシンプルな構成の場合、双方の音圧ばかりに気をとられ、本来の情景が忘れられる。ボーカルとピアノの音が同じ位置から出ているという事は絶対ありえないのですから。
11曲目「一秒の光」の「勝利の女神・・・」や「勝利の風・・・」が「しょうりんのめがみ・・」や「しょうりんのかぜ・・・」に聞こえてしまう「松林」かと思った。
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