ものや思ふと・・・。
しのぶれど 色に出にけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
寝る前にこの和歌が頭の中にうかんだ。
朱塗りの大きな鳥居を右に見ながら、歩道を早足で歩いている。僕はその速度に合わすのがやっとで、彼女の後ろを数メータ離れてなんとかついている。僕の前を早足で歩いていたのは確かに僕の奥さんです。
彼女は少し機嫌が悪い。いや、かなり悪い。もの凄く怒っている。背の低い彼女の方が僕より足が速いのはもの凄く不条理だけど、とにかくついていく。横断歩道を渡ると前方に石段。その上には巨大なギリシャかローマ建築の神殿のような建物。トスカナ式かイオニア式かコリント式か分らないけれど、とにかく太い石の柱がある。中央部が少し太い。これはエンタシスだ。
映画を見に行くと言って出かけたんだったけど、ここは何をするところなんだろう。
磨かれた石の床と階段状になった石に多くの人が腰をおろしている。
気がつくと彼女の姿はもうない。僕は腰を下ろさずに立ちつくしていた。
「何か物思いをしているのですか」と、どこからか声が聞こえた。
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コメント
「しのぶれど 夢に出でにけり・・・」ですか?
投稿: まちこ | 2007/02/25 01:03
もう一ヵ月くらい前の事です。
なんの暗示なのでしょうね。
気になり記憶に留めていたのです。
そして書くのをものすごく躊躇した事でもあるのです。
バックと同じ色の文字にして読みたい方は反転すればいいかな、などとも思ったのですが・・・。
不思議な事でも
書き出してみると僕の文章力では特にオモシロくもないのですが、
投稿: プル | 2007/02/26 22:47