笑えるエッセイ/笑えないエッセイ
「酒井順子著/箸の上げ下ろし」という本がある。
帯には「クスッと笑える48篇」とある。こういう短いエッセイは好きだ。寝る前にベッドの中で読むのにはちょうどいい。
よく似たもので「東海林さだお著/猫めしの丸かじり」というのがある。これは寝る前に読むべきではない。もうお腹が空いてきてどうしょうもなくなる。
ハムカツが、ラーメンが、ソーセージが・・・と言った具合でふとんの中でお腹を鳴らすことになる。とても健康に悪い。胃液だけを充満させて眠ることになる。
当然イラストも文章も、もうヨダレのもとである。
東海林さんの事ではなく酒井順子さんの「箸の上げ下ろし」についてだった。
さて楽しみにして寝床で読んだのだけれど、「う〜ん・・・波長が合わない」
「本当なのかなー」と思える部分がありすぎで・・・もちろん創作でもいいのだけれど、文体がコロコロ変わるのがどうもついて行けない。文章の組み立てがややこしくてスッキリ読めない。そんなえらそうなこと言える僕ではないことはわかっている。でもこのブログの文章がへたくそでもそれは単にマスメディアとしてのインターネット上に浮遊していて、見たければどうぞというスタンスのもの。
物書きが価格の入った本を出すというのはそれなりに気合いを入れてほしい。
「箸の上げ下ろし」をクスッと笑って48篇を読む方もおられるだろう。おそらくそんな方の方が多いのかもしれない。でも僕はそうではないということ。
気を取り直して読み返したけれど、僕のお腹は沈黙したまま。
僕よりかなり年配の方の文章だなと思いプロフィールをみるとずっとお若い。
僕が幼すぎるのか。
「群ようこ著/ヒヨコの猫またぎ」昭和のまるでサザエさんののりで、ありきたりの生活を書いてお金にしているのだからすごい。ただ僕のような人ばかりだったら群さんは廃業するだろうな。特に意味を持たない生活臭をいまさら嗅がされてもなぁ〜・・・
「東海林さだお著/もっとコロッケな日本語を」
こ、これは・・・「ドーダの人々」
そーだな。ブログなんて「ドーダ」そのものみたいなものもある。
「青春の辞典」なんかもう笑いが止まらない。へたをすれば卑語・俗語・間接的な性的表現ともとられ、ここにその項目だけでも書き出すとフィルタリングを設定している方は言語・表現が有害な情報と判断されて閲覧できなくなるかもしれない。
でも、この本は東海林さだおさんが書かれているのです。そんなことはちっとも心配しなくてもいいわけです。
穢らわしいことやみだらでふしだらなことについて辞書の編者の心内を見透かして笑いながら読めます。
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