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2008/03/04

ちょっと古いけれど…。

作家、村上春樹が吉行淳之介の告別式に行った理由。

亡くなったときに「どうもすみませんでした」と手を合わせ頭を下げた。

『村上朝日堂はいかにして鍛えられたか』の「文学集っていったい何なんだろう」という項目に書かれている。

ある出版社が発刊予定の文学全集に、村上氏の了解を得ずに作品を入れることを決めてしまった。
パンフレットには既に名前を入れて印刷してしまい、事後承諾を求めてきたというお話。
掲載される予定の作品が、全集にいれるのは相応しいと思えなかった村上は、べつのものに差し替えてもらいたく思い出版社側に相談したが、担当者の対応に気分的に納得できなかったこともあり、「面倒でしたらどうぞ全集からはずしてください」と申し出た。
その後何度か連絡があったが結局、理由を説明してお断わりしたという。
そんな時、吉行さんから人を介して「ここはひとつ折れてはもらえまいか」というメッセージを受けた。
しかし村上の思いは変わらなかった。
「吉行さんだって決して好きで口をきいたわけではないだろう」と後に村上は述べている。

作家というのは何もない所から何かを生み出す仕事。腕一本で飯を食っていると村上は述べているように、吉行さんはそこのところは良ーく分かっていたと思う。

『谷崎潤一郎から村上春樹まで』と書かれたパンフレットはその後どうなったんだろう。

本来なら原文そのままを引用するのが分かりやすいのかもしれない。でも著作権のこともあり、どのくらいまで許されるのか僕には分からない。かといってへたくそな僕の文章に直してはたしてどの程度忠実に内容をここで伝えられるか自信がない。
とても分かりにくいかもしれないけれど許してほしい。
このブログの性質上(僕が勝手に決めている)なるべく簡素を心がけてはいるのだけれど・・・そのぶん尻切れとんぼで分かりにくいかもしれない。

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コメント

知ってる先生が、その全集の解説にからんでたと思いますが、そんなことがあったとは・・・。
編集側のいい加減さ(お歴々と一緒に入れるんだから、嫌とは言わないだろう?)や自分の側の不始末を他の作家に頼むなんてビックリです

投稿: まちこ | 2008/03/06 00:52

村上氏が吉幸さんを個人的に好きだったことを思うと、編集側のあざとさを感じてしまう。
全集の企画担当をされた方は心労のため、全集刊行途中で入水自殺されたらしい。
「その心労の数パーセントを作った原因になったかもしれないが、でも、もし同じような事が今起きたとしてもまた同じことをするだろう」と村上氏は述べている。
さすがだと思う。腕一本で飯を食っている物書きである。

投稿: プル | 2008/03/06 23:25

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