報道写真における誇張。
本日1月25日の中○新聞に奈良市・若草山の山焼きの記事がある。
その写真はキレイなもので、薬師寺の西塔と東塔を手前に配しその奥に炎の若草山。そして冬の空を花火が彩る。
記者は現場の雰囲気を芸術性豊かに読者に伝えたかったのかもしれない。その意図するところはよく分かる。でもこの写真は
"多重露光"である。合成写真と言えば解りやすいかもしれない。
空ではじけているいくつかの花火は同時に存在してはいない。言ってしまえば虚偽の絵である。
通常の写し方では、一瞬を切りとるので花火が寂しい感じになってしまう。だからといって報道写真に多重露光というのはどうなんだろう。
現実には見たものの残像(記憶像)の上に次の像が重なり、それなりに雰囲気はつかめるものだけれど一枚の写真にするとなると、その残像の部分を補うという意味で"多重露光"をしたのかもしれない。
キャプションの横には「多重露光撮影」と記されている。報道写真としての誇張がこのくらいまでなら許されると判断したのだろうが、フォトコンテスト用のような余計な味付けは(新聞には)適切ではないと思うのだが。
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