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2009/09/12

昼下がりの美術館。

平日の昼下がり美術館に行った。
といっても福井県立美術館の移動美術館(敦賀展)
プラザ萬象で今月19日まで開催されている。一般100円
秋空の午後。こんな時間に見に来る人などいるのかと思ったが、案の序ボク一人だった。
受付の男性と隅に座っている女性にこちらが逆に見られているような変な感じの鑑賞だった。屁でもこいて(またはその音を真似る)反応を見てみようかと何度思ったことか。

29点展示されていた。
ドーミエのリトグラフ、ルオー・ピカソ・ミロの銅版画といった比較的軽いものは既に何度か見たものだったけれど・・・。

本県出身の豊田三郎さんの「瀞(とろ)」
川面に映る空と樹々。川の流れが緩くなり、まるでオイルのような粘度があるかのような水面。
いつも思うのだけれど氏の作品には尖った所(棘)のないまるで口の中でゆっくり溶けるキャラメルのような味がある。
鑑賞にはキャラメル持参をお勧めする。

五十嵐彰雄氏の「Drawing by drawing」は紙を鉛筆で塗りつぶしたもの。真っ黒。と、いっても鉛筆の芯の色。ここまで執拗に塗りつぶすのはもう宗教であって、怒りでも楽しみでも幸福でもなく、ただ一心に仏像を彫っているようなものと言いたいけれどちょっと怒りを感じた。僕のココロが怒りに飢えていたのか?
「塗りつぶすことにより描く事の臨界を即物的に提示」と解説にはある。どう理解していいのか解らない。
「描かない事により描く事の限界を即物的に提示」として真っ白い紙を展示したら・・・やっぱり作品としては見てくれないんだろうな。

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