容赦なく射殺。
一晩中もがいたためかネットはねじれ一本のしめ縄のようになり、足下はドロドロ。
一生懸命逃げようとしたのだろう。
役所(農林水産課)の職員は「害獣は射殺します」という。
いつかテレビで見たけれど、捕獲された熊でさえも森の奥に放していた。
人にケガを負わせたサルでさえ山へ……。
所変わればその扱いは大きく違う。
シカが人を襲ったことは聞いたことがない。
でも福井県では容赦なく射殺。
(僕)「ネットを切って逃がしてやったら?」
(職員)「無言」
どうやら逃がすことじたいが犯罪行為に当たるような印象。
ちょっと現場を離れた時
「ボシュ〜ン〜」というくぐもった音が聞こえた。
散弾銃じゃなくてライフルの音だ。
かけつけてみるとみると倒れたシカ。まだぴくぴく足が動いていた。
見開いた目と開いた口。頭部からは血が流れ出している。
ライフルをかかえた志茂田景樹かと思うような容姿のハンターと役場職員が満足そうに会話している。
常道を逸した無慈悲な行為。
害獣は田畑以外にも庭木を齧ったりほんとに腹が立つ。でも人を襲わないシカをここまでする必要があるのか。
動物愛護協会が反対するわけだ。
この害獣対策が正当性があるのだとするならば、幼稚園や小学校で「シカは害獣です。お百姓さんの作った野菜を食べる悪い生き物です。だから容赦なく射殺します」「住民がやめてくれと懇願してもだめです」と説明できるのか。
僕の書いていることが単なる「正論だ」と貶す人もいるだろう。それは構わない。
でも今日このWeblogを見た方はこのシカさんの冥福を祈ってほしい。
こんなことがなければ今頃、野で草木を食んでいたはずなのだから。
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