福井駅前。
いったいどこでウシが啼いているのかと思った。
福井駅前に恐竜のモニュメントがあり首をユラユラ動かしてまるでウシのような声を上げている。
じつは福井駅前を歩くなんて高校生の時以来で、もう40年近く前になる。
もちろん新しくなった福井駅を見るのは初めて。
近くのパーキングに車を止めその懐かしい歩道を歩いてみた。
昔に比べ整備されてキレイにはなったけれど、人が少ない。
記憶にある店は既になく、あったとしても見た目はバタ屋と化している。
街は新しくなったけれどそこの空気は希薄で人の温もりが感じられず、どこか廃墟を思わせる。
木曜の午後二時半ころの福井駅前。
恐竜の声がまばらな人々になにを訴えているのか。
「もうすぐ絶滅するんだよ。ぼくたちといっしょだね。」
帰りにもう一度恐竜を見に行って写真を撮った。
恐竜の声が哀れでちょっと寂しい。
昭和の福井駅前は汚かったけれどみんな活気があった。
舞い上がる砂埃に生活の匂いがまじっていた。
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